「地方公務員を辞めたいけど民間はもっとキツイって聞く。考えが甘いのかな」
「地方公務員になりたいけど、アフターコロナでも安定なの?」
こんな悩みに答えます。
はじめに結論です。
これからは地方公務員の離職率が上昇していきます。
また上昇にともない、地方公務員に対する世間の考えも変わります。
具体的には、
「地方公務員はとにかく安定している」
「地方公務員を辞めるなんて考えが甘い」
こんな考えは古くなります。
「でもコロナで倒産する会社があるのに、安定の公務員を辞めるなんて考えられない」
こう思いますか?
本記事では、その考えをひっくり返します。
ぜひ最後まで読んでください。
ではさっそく見ていきましょう。
10年目に適応障害を発症。
現在は退職し、ブログを書いて生活しています。
【地方公務員】現状の離職率は民間企業の10分の1
民間企業と地方公務員。
まずはそれぞれの離職率を確認してみましょう。
民間企業の離職率
厚生労働省の「2019年(令和元年)雇用動向調査」。
この調査では、パートタイム労働者を除く一般労働者の離職率は11.4%となっています。
だいたい10人に1人が離職しています。
地方公務員の離職率
地方公務員の離職率は総務省の2つの調査から確認できます。
まずは「平成31年4月1日 地方公務員給与実態調査」。
地方公務員の給与などを調べる調査です。
この調査によると、一般行政職の総職員数は853,890人。
そして「令和元年度地方公務員の退職状況等調査」。
これは地方公務員の退職した状況などを調べる調査です。
地方公務員(一般行政職)の自己都合などによる離職者が9,196人でした。
2つの調査から離職率を出します。
すると地方公務員(一般行政職)の離職率は1.07%とわかります。
100人に1人しか離職していない計算ですね。
民間企業と比べると10分の1の離職率です。
【地方公務員の離職率】これから高くなる理由3つ
民間企業と比べてみても低い離職率。
しかしこれからは少しずつ高くなっていくでしょう。
そう予想する理由3つを解説します。
給与が減っていく
これから日本では少子高齢化がさらに加速し、経済は縮小していきます。
この大きな流れは変わらないでしょう。
すると必ず「公務員の給与は税金なのに高い」という世論が出てきて給与が
減らされます。
じつはこの流れ、これまでも繰り返されてきました。
ちなみに若手地方公務員の給与は、民間の同年代より少ないのが現状です。
さらに減るとなれば、優秀な若手を中心に離職する人も増えるでしょう。
副業が一般的になる
民間企業においては副業が解禁されつつあります。
将来的には間違いなく公務員にも副業が認められます。
ただ、内容は限定的なものになるでしょう。
給与も減り、副業も思うようにできない。
そうなったとき、離職を考えるのはあたりまえだと思います。
稼げるスキルを身につけるほうが、公務員のままでいるより安定ですからね。
複業が一般的になる
「複業」という考え方が広がることも理由のひとつです。
これまでは会社や役場など「組織」に所属して働くことが一般的でした。
収入は「組織」からの給与だけ。
この常識も変わっていきます。
収入を得る手段を複数もつことで、「組織」に頼らない生活を送る人が増えていきます。
これが「複業」です。
優秀な若手を中心に、地方公務員を辞めて「複業」を選ぶ人が増えると予想します。
副業と同じように、そのほうが安定するからです。
まとめ
これまで地方公務員といえば「安定して定年まで働く」
こんなイメージでした。
しかしこれからは給与が減り、「副業」や「複業」が一般的になります。
自分のスキルを伸ばすことが真の安定につながる。
この価値観が広がることで、地方公務員の離職率は高まります。
とくに優秀な若手はその変化に早めに気づき、動き始めることでしょう。
わらはき から最後に一言
この記事で「現役公務員は早く辞めろ」とか「公務員志望はやめておけ」と言いたいわけではありません。
「将来も公務員は安定している」と信じないほうがいいということです。
安定を理由に地方公務員になった人には痛い話しでしょう。
ただ、いまからできることを始めておけば、大きな変化にも必ず対応できます。
将来を予想しながら生きていきましょう。